東京地方裁判所 昭和41年(手ワ)4803号 判決
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〔判決理由〕約束手形の表面上になされた単なる署名は、それが振出人としてのものでないかぎり、手形法第七七条第三項、同法第三一条第二項、同条第三項によつて、振出人のための保証の趣旨とみなされるが、本件各手形の各表面における被告らの署名が、振出人であることに為いのない訴外第一工業株式会社の横書による代表者の記名捺印とその右に多少の空白部分をおいて右横に同じく横書で並行し、枠内になされていることは、原告所持の本件各手形によつて明らかであるところ、このような約束手形における署名は経験則上共同振出人としてなされたものであつて、右法条適用の場合にあたらないと解する。為替手形のように引受人となるべき者(支払人)が限定され、共同振出人のあることが稀有である場合の、その表面における単なる署名とは趣きを異にし、約束手形においては共同振出人のあることは異例でなく、しかもその場合各署名にことさらに振出人の肩書記載が付される事例は皆無に等しく振出人の肩書記載のある空白部分は振出人らんとして用いられることが多いので、本件のように右空白部分になされた署名は特に肩書記載がなくとも振出人としてのものというべきであるからである。(畔上英治)